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5.23.2008

ミニマムアクセス米の行方

貿易ルールに詳しい者ならご存知の通り、日本は毎年一定量の米を、たとえ不必要であっても、ミニマムアクセス(以下MA)として輸入している。いまなお世界的に加熱している商品価格の高騰、わけても東南アジア諸国での米価格の高騰に対して、日本政府はこのMAから20万トンの提供を呼びかけた。なおこの件に関してシーファー駐日米大使は「歓迎する」とのコメントを寄せた、と日経の記事にはある。
日本の米支援、米大使歓迎(日経オンライン)

さて、今日のNY Timesの記事を見てみよう。
U.S. in Difficult Position Over Japan’s Rice Plan(NYT)
どうやら外交筋とは違い、連邦政府の広報は強い口調で談話を求めているようだ。実際、この米支援が実体経済にどれほど影響するのかは明らかではない一方、対米貿易について議論を呼ぶことは確実だろう。米国が日本に輸出する米はMAの2/3を占めており、日本がこれを再輸出することに関してこれまでも強く規制してきたという事実がある。そして何より、米国が農作物についても大国であり、これらの輸出収益は連邦に取って決して軽く見れるものではないということだ。

先日から騒がれている通り米国議会では、農家に対し補助金を与えることを含めた新農業法案が下院を通過した。実態を無視し、富裕農家に補助金をばら撒くような行為だとしてブッシュ大統領は拒否権を発動したが、下院はこれを賛成票316で覆した。上院も既に票は押さえているとの見込みである。

果たして今回の日本政府の発表は、どの辺りに主眼が置かれているのか。

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