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6.19.2008

大いなる不確定要素

Putin Threatens New Power Players (Moscow Times)
資源政策は現在のロシアにとって生命線と云っていい。国民を付き従え、その道を突き進んできたのはウラジミール・プーチンである。先日のエネルギー会談に際してプーチンは「無責任な行動をとる投資家には真っ向から対抗する」と明言している。資源を取り巻く世界的な状況と、内需の拡大に伴い、ロシア国内のエネルギー資源は市場調整的側面と国策的側面が共に際立つという危うい存在となるだろう。世界諸国はこれを少なからず戦々恐々としながら見ている。

THE ENERGY DIMENSION IN RUSSIAN GLOBAL STRATEGY(filetype:pdf)
プーチンは熱烈な愛国心の保持者であるそうだ。その彼が大統領時代に推し進めてきた政策の中心的なテーマはこの論文で示されている。軍事ではなく、資源戦略によるロシアの発展。石油会社が国有化されていた頃、エリツィン大統領はこれを解体し市場整備への一歩を踏み出した。その当時、プーチンの論文がエリツィンの目に留まったのだ。当初エリツィン政策を支持・支援し、資本家達に歩み寄って資源市場の自由化を進めたプーチン大統領は、手のひらを返したように資本の政府による統制を始める。そして市場化による外国資本の導入と、税制による制限とを巧みな手腕で使い分け、ロシア経済の拡大を実現させていった。その最終的な段階 (BBC)が、現メドヴェデフ大統領への政権交代直前に達成されたのだった。

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